分散型メディアから発展する分散型コマース。変化していくコンテクスチュアルコマースと動画の役割

  • [投稿日]2016/10/31 [最終更新日]2017.10.19
分散型メディアから発展する分散型コマース。変化していくコンテクスチュアルコマースと動画の役割

最近では当たり前になりつつある「分散型メディア」という単語。
 
昨年は非常に多くの分散型メディアが注目されました。BuzzfeedNowthisなどは既に言わずと知れた分散型メディアの代表例ですが、その他にも料理系動画で有名なDelishkitchenTasty、まとめニュース系動画で有名なTimelineなど、SNSのフィード上で分散型メディアの動画を見かけない日はないほどに増えてきています。
 
そして、その後ろで今じわじわと熱を帯びてきているのが「分散型コマース」です。既にコマースという言葉は、一般的にも「売買」という形で定着し始めてきました。分散型コマースとは、分散型メディアの中で行われる商取引のことです。
 
今回は、この「分散型コマース」の概要を、上位概念でもある「コンテクスチュアルコマース」の位置付けと合わせて説明し、コマースにおける動画活用の可能性についてご紹介していきます。
 

分散型メディアでコマースが可能になる時代

「分散型コマース」とは前述した通り、分散型メディアにおける商取引を指します。つまり「分散型メディアを通してショッピングまでできる」という意味です。
 
例えば、Facebookのコンテンツ上で紹介されているある商品を「欲しい」と思ったら、その場で即購入できるような仕組みになっていることが一般的です。
 
世界的なオンライン決済企業であるPayPalも分散型コマースには意欲的で、既に各分散型メディア上に組み込むだけで決済まで完結できるようなサービス「PayPal Commerce」も提供しています。
 
ユーザーが多く時間を費やす文脈上で商取引を実現させる「コンテクスチュアルコマース」が、コマースの業界で一層力を強めてきているのです。
 

「コンテクスチュアルコマース」とは

コマース利用イメージ
 
そもそも、「コンテクスチュアルコマース」とは、ショッピングサイトに限らずSNSや公式アプリなどのあらゆるメディアやプラットフォーム上から商品を購入することができる手段のことを示します。
 
「Context」=「文脈」 と 「Commerce」=「商取引」 という言葉からきています。分散型コマースとは、この手段のうちの一つです。
 
これまでECを仕掛ける企業は、FacebookなどSNS上で商品の宣伝をし、リンクをつけて消費者を本サイトへ誘導していました。しかし自ら取捨選択をしてSNSやメディアを縦横無尽に使い分ける消費者は、わざわざ本サイトまでアクセスしてショッピングをすること自体に煩わしさも感じていました。
 
そこでコンテクスチュアルコマースを採用することで、ユーザーがサイトを切り替えることなく、同一線上でショッピングを完結できることを実現させたのです。これにより、ユーザーはシームレスな購入体験ができるようになりました。
 
言葉の由来通り「文脈に沿った商取引」を可能にしてくれるめ、コンテクスチュアルコマースは企業と消費者の両者に大きなメリットを提供すると言えます。
 
最近ではこの「文脈」が、Facebook MessengerやWhatsAppのような「メッセージツール」にも伸びてきているほど。「カンバーセーショナルコマース(会話型)」とも呼ばれているようです。
 

活用事例

このコンテクスチュアルコマースが実際にどのような形で活用されているのか、いくつか事例をご紹介です。分散型メディアを通したコマースだけでなく、消費者の文脈は多様化してきているのです。
 

Pinterest

 
ユーザー好みにお洒落な写真を”Pin”して集めていくことができるPinterest。写真に特化しているSNSということもあり、ファッション業界ではPinterestを取り入れているケースも多いようです。
 
そこでPinterestは「Pin」ボタンと合わせて、「Buyit」という、その場で気に入った商品を購入できるワンクリックボタンを設けています。
 

Facebook Messenger

 
Facebookのビジネスアカウント上に「BuyNow」というボタンを設置できることはよく知られていますが、ビジネスアカウントから顧客とのやりとりをする際、FacebookMessenger上でも、「BuyNow」ボタンを備えたおすすめ商品情報を提供できるようになっています。
 
ユーザーはMessenger上で決済情報を登録しておくことで、そのままMessengerから離脱することなく支払いまで終えることができる仕組みです。若者がメッセージアプリに時間を多く費やすようになってきたというトレンドを意識した動きと言えます。
 

Operator

Operator Conversational UI from Operator on Vimeo.

 
Operatorは、世界中のオンラインストアを一つに繋いだサービスです。欲しい商品のイメージをチャット形式で送るだけで専門のオペレーターが最適な商品を提案してくれます。
 
家具やファッション関連だけでなく、映画チケットや贈り物のアイディアまで提案してくれる機能が特徴的です。
 

Amazon Echo

 
Amazon Echoは、Alexaという人工知能を搭載したホームデバイスです。ユーザーは、Alexaに語りかけることで、ピザを注文したりAmazonオンラインで気になる商品を注文したりすることができ、自分の過去の注文履歴をもとに関連商品の提案を閲覧することも可能です。
 

LINE (LINEビジネスコネクト)

 
日本国内のメッセージアプリで最大のユーザー数を誇るLINEですが、法人向けサービスにLINEビジネスコネクトというサービスがあります。ユーザーは企業のアカウントと繋がることで、直接個人の嗜好に合わせたサービスを受けることができます。
 
例えば、LINEメッセージを通してドミノ・ピザでピザを注文したり、LINEメッセージでヤマト運輸の配達物の日程変更をしたりすることができるのです。
 

コンテクスチュアルコマースに期待できる理由

上記の例のように、今はもはや消費者は気になる商品を買う際に本サイトへ飛ぶ必要はなく、アプリやコンテンツ上からその場でショッピングができるようになっています。
 
この流れは、基本的に「ユーザーが一番多くの時間を費やすプラットフォーム上に販路を拡大する」という消費者体験に基づいた販売方法です。
 
この手法の一番のメリットは「企業が押し売りすることなく網羅的かつストレスフリーに消費者を囲い込むことができる」という点でしょう。
 
自分がよく使うアプリやSNS上で自分の気になる商品が表示されたり、もしくは問い合わせができたりするということは、欲しい時にいつでも好きなものが手に入るという状況とも言えます。
 
また、分散型メディアで動画を活用することで、企業はより多くの集客を期待することができます。例えば、オンラインではユーザーが商品を触って確かめることはできませんが、実際に商品を使った動画であれば、ユーザーの商品への理解も深まり、結果的に信頼性を高める重要なコンテンツになり得るのです。
 
企業が動画での商品アピールからから購入までそのまま一貫して提供することで、消費者はスムーズにショッピングを行うことができるでしょう。
 
モバイル中心の生活が一般化してきている今の時代だからこそ、ユーザー・消費者の「文脈」を最大限活かしたコマース体験を提供することで、更なる収益を期待できるのです。
 

まとめ

コンテクスチュアルコマースの考え方と分散型コマースの効果についてご紹介しました。
 
消費者が多様なメディアやプラットフォームに日々触れる今の時代、企業は彼らの動きに合わせたアプローチを採用していく必要があります。
 
分散型メディアのパワーが増してきている今こそ、その同一線上で購買体験を提供する分散型コマースの利用が、より効果的であると言えるでしょう。この環境を最大限活かしたマーケティング手法を検討してみてはいかがでしょうか。
 
[参考]”Examples of Conversational Commerce, Chatbots & Contextual Commerce“, Michael Quoc
[参考]「会話型コマースが顧客との関係性を変える!新たなマーケティングの可能性を切り開く8つの会話型コマースサービス」, okinawa.io
[参考]「欲しいタイミングを逃さない! コンテクスチュアルコマースが描くECの未来」, baxooka

MOVIE CONTENTS LAB 編集部

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