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ライブコマースを開始したメルカリ。今後のECコマース動向とは?

  • [投稿日]2017/07/13
ライブコマースを開始したメルカリ。今後のECコマース動向とは?

昨今、オンラインショッピングは、私たちの生活にますます溶け込み、さらに一般的なものになってきました。SNSのフィード上から直接商品の注文ができるようになったり、動画内で商品の注文ができるようになったりと、eコマースの形も変わり続けています。

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さらに、2017年7月6日、個人売買を取り扱うオンラインフリーマケットサービス・メルカリが、ライブ動画を利用した「ライブコマース」を開始することを発表しました。注目を集めるこの発表の何が新しいのか、ご存知でしょうか?

今回は、このeコマース業界において新たな潮流になると期待される「ライブコマース」についてご紹介です。

メルカリが開始したライブコマース

メルカリについて

メルカリは、個人が私物を出品し、売買を確定させ、発送までを行うという、フリーマーケットをオンライン上で実施するサービスです。メルカリが仲介して売買がとり行われる安心感とスマホからの利用が大変スムーズという利便性によって、日本国内で普及しているeコマースサービスです。

2017年6月30日のメルカリのプレスリリースによれば、アプリダウンロード数は7500万(日本5000万、アメリカ2500万)で、月間の流通総額は100億円を超えており、日本国内では最大のフリーマケットアプリとなっています。2016年6月のプレスリリースの情報をご覧いただいてわかる通り、アプリのダウンロード数はうなぎのぼりです。

メルカリ2016

Nielsenの2016年1月時の調査では、メルカリの利用者の95%(775万人)がアプリを通しており、ユーザー層は29歳以下が約46%ともっとも多く、次いで30代が約29%、40代以上が約25% というデータが示されました。このように、メルカリはアプリを駆使する世代からの利用が目立ちます。

メルカリのライブコマースに多数の芸能人が登場

ライブコマースとは、出品者がライブ動画を用いて商品について説明をすることができ、購入者もライブ動画を観ながらその場で商品の注文をすることができるようになるという、インタラクティブなサービスのことです。

しかし、ライブ動画を配信することに躊躇するユーザーもいるはずです。そこでメルカリは、このサービスの利用イメージを持ってもらうために、田村淳さんや道端アンジェリカさんなど、有名芸能人を起用してライブ動画をスケジュール配信することに決めました。

メルカリ_ライブコマース芸能人
(出典:mercari

まずは多くのファンを持つ芸能人がライブ動画で商品を出品することで、多くの視聴者を獲得すると当時に、サービスの利用イメージや話題性を拡散することが狙いと言えます。

ライブコマースの魅力

従来、ライブ動画は、企業側が顧客や他者に対して情報を提供するためや、サービス/商品のファンを獲得し長期的な利益の拡大を狙う目的で用いられてきました。それに対し、最近増えているライブコマースでは、ライブ動画を通して商品に関する質問に答えることで利用イメージを想起させ、その場での購買行動を誘発できる点に特徴があります。

消費者が商品を買うまでの一連の流れは、Attention(注意)→ Interest(興味)→ Desire(欲求)→ Action(購買)に則っていると説く「AIDA(アイーダ)の法則」が定説でした。一方で、メルカリのライブコマースは、「ライブ配信+(インフルエンサー+)コマース」の要素を用い、時間をあまり必要としないスピーディな売買行為が実現します。

一般利用者に本サービスが拡大された場合にも、ライブ動画を観たいというファンを獲得することで、売り上げ拡大に繋がるケースもあるのではないでしょうか。インフルエンサーの動画を観られるだけでなく、コミュニケーションができるという点でも視聴者にとっては嬉しいはずです。そういう点では従来のeコマースとは異なります。

また、ライブ動画で商品を見ることで、視聴者は商品への信用を高めることになります。商品ページに写真と説明文章だけ掲載されているものと比べれば、映像で状態を確認することができてコーディネートや利用方法を合わせて確認できる商品の方が、購入者は安心するのではないでしょうか。こうしたことから、ライブ動画はオンラインショッピングにおけるひとつのテンプレートになる可能性すら秘めていると言えるでしょう。

[参考]「メルカリのライブ配信コマースはAIDMAキラー:今週のデジタルサマリー」,DIGIDAY

海外のライブコマースの実施例

海外でも、特に中国を中心に、ライブコマースを実践する先駆的サービスが利用されています。

淘宝(タオバオ)

taobao.comトップキャプチャ
(出典:taobao.com

中国の大手eコマース企業Alibaba(アリババ)傘下のショッピングサイトのタオバオは、2016年にライブコマース用プラットフォーム「淘宝直播」を導入しました。有名な事例ですと、張大奕という有名なインフルエンサー(KOL:キー・オピニオン・リーダー)が、自身の新作ブランドの制作過程をライブ配信したところ、2時間で41万人が視聴、100万いいね!を獲得、約3億円を売り上げたと言われています。

蘑菇街(モグジェ)

mogujeトップキャプチャ
(出典:蘑菇街

中国で利用者数1億3000人を越えると言われるファッション系のeコマースサイトです。ライブコマース機能が人気で、本サービスを開始した初日、サイトのUUが通常の10倍、売り上げは67.3%も増加したと言われています。またKOLの劉小瑜咯は、新作デニムスカートのコーディネートを紹介したライブ動画を1時間配信して20万いいね!を獲得しています。

Busker

Buskerトップキャプチャ
(出典:BUSKER

アメリカのライブ動画配信プラットフォームです。ミュージシャンやイラストレイター、デザイナーなどが自分たちの作品を紹介するために使われることが多かったのですが、本サービスは2016年に新たにeコマース的要素を加えることとなりました。あるクリエイターはBuskerにて音楽、ステッカー、帽子などを売り、2件のライブ動画だけで数万円もの売り上げを出しました。

[参考]「2時間で3億円を売った「ネット生放送+EC」の事例とは?【中国の最新ネット通販事情】」, ネットショップ担当者フォーラム
[参考]「中国の女性向けファッションECモール「蘑菇街(モグジェ)」で話題のライブコマースを試してみた」, DiFa
[参考]”New Livestreaming App ‘Busker’ Aims To Merge Content And E-Commerce Capabilities“, tubefilter

まだまだ少ない国内のライブコマースの実施例

実はまだまだ日本ではライブコマースの例が少ないのが現状です。メルカリより少し前にモバイル向け動画制作を手がけているCandeeがライブコマースアプリの「Live Shop!」を提供開始しました。メルカリのライブコマースと同じく、インフルエンサーや芸能人を起用しており、ライブ動画の中で商品をリアルタイムに注文することができるようになっています。ファッションやメイクのコーディネートを中心としたコンテンツを配信しています。

企業からの提供製品ではなくインフルエンサー本人がお勧めする製品を中心に取り扱っており、ファストファッションの通販サイトSHOPLIST.com by CROOZを運営するクルーズという企業と提携し、今後さらに市場拡大を目指しているサービスの一つです。

今後の展望

ライブコマースが早くにブームとなった中国では、ライブ動画配信利用者は3.25億人いると言われており、これは中国のネット利用者の45.8%にあたります。今後、この流れは日本をはじめ世界のeコマース市場でも増えていくと予想されています。

例えば、すでにYouTuberや有名Instagramerなどで、インフルエンサーを起用した広告手法が一般的です。インフルエンサーには一定層のフォロワー、ファンがいるため、ターゲットも絞りやすく、ブランドとしては大変効率の良いマーケティング手法となります。また、何よりフォロワーやファンの人たちは初めから彼らインフルエンサーに好印象を持っており、信頼していることが多いです。その点から見ても、企業は従来の宣伝手法に比べてインフルエンサーを起用することでより顧客からの共感を得やすいとも言えます。

自分の好きなインフルエンサーが自分の気になる製品を使っている姿を見て製品に対する「安心感」を抱くケースもあれば、インフルエンサーが使っているから「使いたい」と思うケースもあるでしょう。

Instagram、Snapchat、Facebook、Twitterと、各SNSがライブ動画に対応することと合わせて、私たちのライブ動画との心的距離も縮まっていますし、今後ますますモバイルファーストな状態が当たり前になってくるとも言われています。そのような状況下で、今回のメルカリのライブコマースの取り組みは、時代に合った新たなプラットフォームを構築することになるのではないでしょうか?

[参考]”Social Commerce, Live Streaming, and Virtual Goods: Chinese E-Commerce Innovation Pulls Ahead“, GUILD INVESTMENT MANAGEMENT

まとめ

ライブコマースのサービスを通して視聴者の消費行動がさらに活発化することが予想されます。そして、ライブ動画へのインフルエンサーや有名人の起用は、視聴者の「共感」と「憧れ」を誘発する効果も見込めます。

実際に中国で爆発的な人気と結果を残しているこのeコマースという新たなフォーマットは、ライブ動画がますます普及してきている今日の日本や世界各国でも、少しずつ採用されていくことでしょう。引き続きライブコマースの発展に目が離せません。

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コマケン編集部

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